セミナー情報

歯科医師向けオンラインセミナー『スタッフ教育成功の秘訣』感想頂きました

2020年12月11日、歯科医師向けオンラインズームセミナー『第2回:スタッフ教育成功の秘訣』が開催されました。
歯科医師であり、経営者として医院をより良くしたいとお考えの先生方。
皆様セミナー終了後は「いつやるの?今でしょ!」と意気込まれたことでしょう(笑)←これがセミナーでは何度も出てきたキーワード♪

さて、今回の講師は、㈱Dental HygeiaのOJTインストラクターでもあります山本温子先生です。
現在、熊本歯科衛生士会の理事、熊本歯科衛生士専門学校の講師を務めつつ、現在も臨床の場にも関われており、医院づくり・組織づくりに関して長年スタッフ教育に関わってこられた経験などを踏まえお話しくださいました。

新人教育対策いつやるの? 「今」でしょ!!

歯科業界にお詳しい方であれば歯科衛生士の離職率の高さについてご存知ない方はいらっしゃらないでしょう。今や全国の歯科医院数はコンビニよりも多いとされており、歯科衛生士不足に悩む医院も少なくありません。

歯科衛生士不足に「困った、困った」と嘆く医院様のお声はよく耳にしますが、『どうしたら歯科衛生士の離職率が低くなり、安定して長く勤務してくれるのか』にフォーカスした医院様は少ない気がします。

新卒の歯科衛生士さんが入社するまであと3ヶ月。4月に入職後に始めるのでは遅い!

ではいつやるの?「今」でしょ!!

(聞き覚えのあるフレーズだけに心に刺さりました)

 

今からしっかり準備すれば、春に向かえる新人教育に間に合います!!!

まだやっていませんか? 時代遅れの「昭和型教育」

まず最初に投げかけられたこの衝撃なワード!

「見て学べ」の昭和型教育、「今時間あるから教えようか」の思い付き教育、「本人のヤル気任せ」の任せっぱなし教育。これらはひと昔前は当たり前に行われていた教育方法だと思います。

16年前に新人として指導を受けた山本先生もこの教育を受けた時代の方とのこと。かくいう私(ライター)も、22年前に同じく昭和型教育を受けた世代。当時、何度「辞めたい」と思ったか…。そして結婚を機に退職し、今も現場復帰していません。はい、山本先生の仰る時代遅れの教育を受けていると、現場に戻ること自体トラウマです。いわゆる潜在歯科衛生士。そんな歯科衛生士が全国にたくさんいるんですよね。

実はみんな歯科衛生士を続けたいと思ってるんです!!

時代は昭和でも平成でもなく「令和」となりました。新人教育も進化すべきです!

山本先生のお話ですと、熊本県歯科衛生士会のアンケートによれば、1年目~3年目までの歯科衛生士さんの約8割は「結婚後も仕事を続けたい」「同じ職場に永く勤務したい」と言っているというデータがあるそうです。

そう!本当は歯科衛生士という仕事が好きだし(私もそうです)、簡単に辞めたいと思っている人は少ないのです。

 

ではなぜ、離職率が高いのか…。

離職理由は「人間関係」が第一位!

歯科衛生士の離職理由で一番多いのが人間関係とのこと。

これが一番浮き彫りになるのが、先輩たちの教え方にばらつきがある場合。

「A先輩とB先輩の言うことが違うから困る」よくある新人の悩みですよね。これでAとBの中の悪さが分かるということ(笑)この雰囲気の悪さに巻き込まれる新人は、仕事を辞めたくなるのも当然です。

新人は医院の雰囲気を誰よりも感じやすいもの。見学や面接時に雰囲気の悪さを感じ取れば、その医院はなかなか求人も来ない医院となってしまうとの事…Σ(゚д゚lll)

なかなか新人が決まらない原因は「医院の雰囲気」かもしれませんね。

新人教育マニュアルの大切さ

山本先生はご自身が教育担当になられてから、『新人教育マニュアル』に関して、内容はもちろんのこと「スタッフに優しいマニュアル制度」をモットーに新人教育計画の実績を挙げて来られています。

その内容は新人さんのみならず、経営者である歯科医師、新人教育を担当する人、歯科医師と新人教育担当をつなぐ人といったように、全てのスタッフに優しいマニュアル制度となっており、それがのちに「スタッフの継続」に繋がっているということを感じました。

スタッフに優しいマニュアル制度 3つのやさしさポイントとは?

山本先生曰く、スタッフに優しいマニュアル制度には、3つのやさしさポイントがあり、それらすべてがwin-win-winになることが大切だとのことです。

ポイント1:教えられる側に優しい

★教えられる側が理解しやすく使いやすいマニュアルでなければ意味がない!

私たちは小学生の時から就職するまでの間、ずっと「教科書」を使って勉強するスタイルで学んできました。これを急に「見て覚えろ」「院長が欲しいと思うものを予測しろ」などと言われても難しい話。メモを取っていても話を聞いているとメモも思うように取れないんです。(うんうん(((uдu*)そうなんです!!!)

マニュアルという教科書があれば、それに沿って誰が教えても同じ教育が計画的に受けられます。しっかりとしたマニュアルがあれば、予習・復習もでき定着度もアップします。

仕事に対する不安が減り、自信をもって仕事ができるので、成長が早いのです!

ポイント2:教える側にも優しい

  • 新人教育マニュアルは新人さんだけのためにあるのではない!
  • 先輩というだけであって、先生(教えるプロ)ではない!

これ、「目から鱗」ポイントでした。

ついつい、新人さんのためのマニュアルだと思いがちですが、しっかり作り込まれたマニュアルがあることで、「教え方が分からないという不安解消」「間違っていることを指摘しやすい環境になる」といったメリットにより、教える側にも優しいツールとなるのです。

指導側の気持ちに余裕が生まれ、優しく落ち着いて指導ができる結果、後輩だけでなく先輩としても成長し、双方が育つことに繋がります。必然的に先輩も新人さんも長く勤務する医院になりますよね。

ポイント3:院長先生にも優しい

  • 医院のベースラインが明確になる
  • 院長先生がイライラしなくて済む

 

医院のベースラインが「無い」医院はないはずです。これは後からチマチマ言われると納得がいかない=不満につながってしまう。(髪の色やマツエクなど。これも頷ける!)

歯科医院はほぼ女性スタッフであることが多く、男性の縦社会とは違い「横社会」でないとうまくいかないとか。これを確立させるために「※シスター制度の導入」をおすすめされていました。

※シスター制度
院長⇔主任⇔副主任⇔シスター(教育担当)⇔新人という並びで、スキル・メンタルサポートをそれぞれが行う制度

マニュアルで医院のベースラインを細かく設定することで、どのスタッフも教育担当になれます。そして患者様に一定レベルのサービスを提供する事にも繋るのだそうです。

結果的に院長先生のイライラ要素が減り、診療に集中でき、医院の雰囲気が良くなると言うことですね!

将来が描けるマニュアルのある歯科医院づくりを!

このセミナーの率直な感想は「私が新人の時に山本先生のマニュアルのある環境で育ちたかった~!」ということです。その環境があれば、きっと私は今でも現場で働いていたと断言できます。なぜなら歯科衛生士の仕事は好きだからです。

新人時代にしっかりと学べるマニュアルがあれば、自身が半年後、1年、2年後…と将来が予測できる要素となり、きっとモチベーションアップ・継続に繋がることでしょう。

 

セミナーの中では、山本先生が実際にどのように「わかりやすいマニュアル」を作成されているか、そのポイントやコツ、マニュアルの活用方法、新人さんへの声かけや指導のコツなどもたくさんお話しくださいました。

参加しそびれてしまった方で興味のあるという医院様、ぜひHygeiaで山本先生にお話し伺ってほしいです!(歯科衛生士として切なる願いw)

第3回:歯科医師向けオンラインセミナーについて(詳細・お申込み)

次回の歯科医師向けオンラインセミナーは『チーム力アップ大作戦』です。

2021年1月8日(金)19:30~20:30にZoomにて開催!

まさに今回お伝えした「マニュアル作り」にも通じる内容です。

スタッフ全員で「一人ひとりが役割を持ったチームづくり」をすることで、医院の雰囲気もさらにアップすること間違いなし!!

歯科医師向けオンラインセミナー『チーム力アップ大作戦」についてはこちら(お申し込みは終了いたしました)